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Wizの未来に向けて警鐘を鳴らし続けたデータディレクター。『SmartSellプロジェクト』に託された想いとは

2020.03.28

#Interview

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けて、Wizが打った布石『SmartSellプロジェクト』。大規模なデータベースの構築・活用を目的とし、今まさにデジタル領域の次のフェーズに駒を進めようとしています。

今回、本プロジェクトについてお伺いしたのは、昨夏に設立されたIT推進部で副部長を務める、財部さん。ご自身のキャリアを振り返ってもらいながら、「SmartSell」の背景や想いについて語ってもらいました。

―財部さんご自身のご経歴について教えてください。

15年前からIT業界に携わっています。最初に就職した会社は、10万人の会員を持つガラケーの自社サイトを運営するベンチャー企業でした。新しいサイトの立ち上げやモバイルのアフィリエイト運用などで売上を伸ばしていきました。功績を認めていただき部長へと昇進しましたが、当時はまだ若かったこともあり、プレイヤーとしての現場経験を積みたい気持ちが強く、2年後に退職。その後、仲間数人で起業の準備を進めました。

結局、会社設立には至りませんでしたが、そのときに学んだ知識・経験を武器にWEBの制作会社に入社し、約6年間ほど官公庁や民間企業のサイト制作を行っていました。職種の立ち位置としては、営業兼WEBディレクター。仕事内容は、企画書の作成やプレゼン、サイト制作に必要なドキュメント作成、システムの動作確認テスト、運用、取材と多岐にわたりました。

独学で勉強していたPHPやMySQLの知識も重宝され「複雑なシステムは財部に!」と、SE的なシステム周りの案件を任されることが多かったです。

―どのようなシステムを開発されましたか?

福岡県の工業団地を複数の条件で検索するシステムや、小中高生の体力測定の結果を可視化するシステム、北九州に本社を置く大手企業の工場見学と施設見学とを合わせた予約管理システム、他にも消防局の基幹システムと連携して、緊急車両の出動を周辺の住民にメールでアラートを出すシステムなど、多種多様な案件に携わりました。

また、70社近くのサイトのローンチと運用も行っていたので、ここで開発における多くの経験が積めたと実感しています。徐々にシステム開発の面白さを感じ始め、よりアイデアを形にできる自社開発に携わりたいと思っていた時にWizに出会い、社内の風通しが良く、自分の企画を形にできそうだと感じたので、入社を決めました。

―Wizに入社してから、まずどんな仕事をされたのでしょうか?

クリエイティブ事業部に配属となり、法人のお客様のサイト制作を経て、自社の営業成績が表示されるWEBページ「マイカルテ」の改修担当になりました。当時のページ内はバグだらけ。正しい数字が一つも表示されておらず、大変苦労した思い出がありますね。

その後、教育コンテンツを統合した自社サイト「myMODE」を企画からリニューアルまで手掛け、1~2年の間は本サイトの発展に力を入れていました。給与明細のデジタル化、従業員のシフト表示、動画撮影など、やりたいことを自由にやらせてもらえたと思っています。

Wizに入社して丸4年、忙しくも楽しく仕事をさせてもらえ、月日が経つのが非常に早かったように感じています。

―自社サイトの反応はいかがだったでしょうか?

特に「myMODE」については、給与明細を簡単に見られるようになったと、嬉しい声を多くいただきました。こうした意見は、自分のやりがいや新しい企画に繋がるため、本当にありがたいですね。

また、この頃から一緒に仕事をしていた他部署の方からも、いろいろとシステム開発の相談を受けるようになりました。開発専任ではありませんでしたが、役職や部署の垣根を越えて「こういうシステムを作りたい!」と直接話をしていただける関係性を築けたことは、私にとって大きな財産になりました。

―新部署の設立経緯を教えてください。

以降も会社の要望に応えるべく、社内の営業資料を共有するプラットフォーム「データルーム」の制作、在宅コールセンター「コールシェア」の立ち上げ、仕事のマッチングサイト「URUMAP」の運用など、スピード感を持って遂行していきました。

社内のシステムに本格的に関わるようになり、昨年の夏、クリエイティブ事業部からIT推進部を作っていただいたというのが部署新設の経緯です。責任者として自社のシステム開発をメインに行っていますが、データサイエンスの領域も新しい部署での大切な業務の一つとなっています。

―そこから、どのようにして『SmartSellプロジェクト』が生まれたのですか?

もともと、4年前に「myMODE」の開発をするときに、社内のデータ状況を確認しまして、そのときから、データを整備しなくてはと考えていたんですが、毎週のごとく増える商材、日々変わる項目、毎分更新されるデータの現状を知って、一人や二人の力では絶対に終わらないと思い、当時は断念しました。

データ活用の未来はその時からかなり考えていて、最終的には「今、この瞬間に、このお客様に電話をかけて、この商材を、このトークで案内したら、獲得できる可能性が高いです!」みたいな情報を、営業の方が見ている画面に表示したいと思いました。

それから、事あるごとにこのような考えを社長や上長に伝えていき、世の中的にも「今後はデータ活用が重要だ!」となってきていたので、ある程度ビジョンを持っていた自分に任せていただいたという感じです。

―「SmartSell」について詳しく教えていただけますか?

一言で言うと、「Wizの顧客データベース」ですが、役割としては1st、2nd、3rd party データを全て格納し、日々データ項目が追加されていき、簡単な集計や分析なども行う、膨大なデータ集積所、兼分析システムといったところです。

もっとわかりやすく言うと、A店というお店があったとして、そこの「店名」と「電話番号」だけはデータとして持っていたとします。そこに、「オーナー名」「住所」「創業年月日」「席数」「駅からの距離」といった、Wizが持っていないデータを、色々なところから集めて、どんどん情報を付与していき、顧客情報を充実させていくシステム。という感じですかね。

「SmartSell」に全てのデータを集約すれば、そのデータをもとに新たなシステムを構築したり、データ分析を行ったり、新規リストを提供したりすることが、簡単にできるようになります。

今までは、データが分散しすぎていて作れなかったものが、「SmartSell」が完成すれば作れるようになります。整備されたデータは大変扱いやすいので、今後、多角的な業務活動が期待できると思いますね。

―このプロジェクトは、今どの段階まで進んでいるのでしょうか?

現在はデジタルコンサルティングサービス事業を展開するGIG社と協力して、巨大なデータの箱の端から順に整備している段階です。一気に整えるのではなく、少しずつ整備の範囲を広げて、まずは1商材をきれいな形にしています。

基本的にはファイルメーカーからデータを移行させる作業になりますが、中身はデータが無数に羅列している状態なので、仕分けしてきれいに箱に収める「データインポータープログラム」というものを開発しているところです。

改修が必要な場合もありますが、他の商材に応用が利くので、このプログラムが完成すれば、2商材目、3商材目と順次、比較的簡単に短い期間で処理することができるでしょう。2020年内にはメイン商材の顧客データは移したいと考えています。現状、基盤が固まり始めたといったところでしょうか。

―ファイルメーカー上、データが分散しているのはなぜですか?

会社の急成長にデータ管理が追いつかず、メスを入れる時間がなくここまで来たのだと思います。同じお店の情報も違うファイルメーカー上に分かれて存在していて、商材ごとに顧客データが分散している管理体制でした。

分かりやすく言うと、電子決済サービスを契約してくれているAというお客様が、データ通信サービスを契約してくれているAというお客様と、同一人物かどうかわからない状態だったわけです。同じユーザーとして認識させるためには、各マスター内のデータを紐付けるシステムが必要で、ようやくそこの改修に着手することができました。

―今後「SmartSell」をどう発展させたいですか?

Wizの営業活動の生産性を大幅に向上させたいと思っています。どの商材を、誰に、どのタイミングで、売ればいいのかという営業における総合的な判断を、AIを使って導き出したいですね。そのためにはやはりデータ整備が重要な鍵になるかと。

とはいえ、単純に社内の顧客情報をきれいに収集するだけでは、理想とするセールスは実現できないと思います。Wiz全体の売上アップのためには、様々な業種のデータ、国勢調査のデータ、交通公共機関のデータ、もしかすると天気予報、為替や株式のデータなど、いろいろな情報が必要になってくるかもしれません。そういった3rd Party データも収集・活用して、AIによって精度の高い予測を行い、生産性の高い営業、SmartSellの名前の由来にもなっている”スマートにセールスする”ことができればと考えています。

さらに、他の企業と提携してデータを統合・分析をしたり、データ販売まで活用シーンを広げていけるのではないかなと期待しています。また、5Gを活用したデータ配信も実施できれば、もっと面白いプロジェクトに展開していけるのではないかと想像しています。

―最後に開発にかける想いをお聞かせください!

5GやAIなどの発展により、この先10年で「データ」の価値がものすごく上がります。

2025年までにDX(デジタルトランスフォーメンション)を完了させなければ、企業は取り残されるといわれており、今のうちにデータ整備に着手しておかなければ、Wizに未来はありません。常に5年、10年先のWizを思い描きながら、先手先手で『SmartSellプロジェクト』を成功させていきたいと思っています。

―財部さん、ありがとうございました!

さいごに

『SmartSellプロジェクト』リーダーである財部さんのインタビューをお届けしました。今後も様々な観点・人物から『SmartSellプロジェクト』の全貌をお届けしていきます。お楽しみに!

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